9月8日 友達とタイムカプセル
今日のお客様。
常連さんの山の御茶屋さん。
いつも仲良しです。
楽しそうなお二人を見ていると
店長も楽しくなります。
お友達っていいですね。
今日は滝沢さんのとてもいいエピソードをご紹介します。
それは2000年の同窓会のこと。
滝沢さんはそれまでは同窓会には一度も出席していません。
地元からは遠く離れていますし、
なにより子供のころはいじめられっこで、
つらい思いをしていました。
いい思い出がありません。
でも、2000年の同窓会には、絶対に、絶対に
出席しなければいけない理由がありました。
2000年の同窓会ではタイムカプセルを開けることになっていたのです。
当時の作文なんて、絶対に誰にも読まれたくありませんでした。
容姿にも自信がなく、いじめられ続ける日々。
今は明るい滝沢さんですが、あの頃は暗黒の時代です。
作文にはこう書きました。
《2000年まで私が生きているかどうかなんてわからない。
私の人生は今までひどいものだった。
こんなつらい人生は耐えられない。
それまでに死んでいるだろうと思う。
だけれど、もし・・・もし自分が2000年まで生きているのなら
絶対お金持ちになって、あんたたちを蔑んでやる。
いじめたやつらを馬鹿にして見返してやるんだ・・・》
そんな作文がタイムカプセルの中からでてきたらたまりません。
誰にも見られないように回収しなければ!!
そんな気持ちで滝沢さんは初めての同窓会に出席しました。
滝沢さんが会場に着くと、皆が緊張しています。
そして、当時滝沢さんのことをいじめていたメンバーが集まってきました。
「あかりさん?やっと同窓会に来てくれたんだ・・・。
今まで同窓会にこなかったのは、自分達のせいだよね・・・。
でも実は、ずっとずっと謝りたいと思っていた。
あの頃はひどいことをして、本当に申し訳なかった。
どうか、許して欲しい・・・」
当時されたことを思うと、
なかなか単純には許す気持ちにはなれない滝沢さんですが
長い年月、彼らがずっと気にしていたことを知りました。
自分の人生もつらかったけれど
彼らは彼らでつらかった・・・?
複雑な気持ちです。
なにはともわれ、タイムカプセルの作文を回収しました。
(誰にも見られなくてよかった・・・)
帰りの新幹線の中、
ようやく一人になって作文を広げます。
そこには・・・思いがけない文章が・・・
《わたしはしあわせです。
わたしにはいいともだちがいます。
だから、わたしはしあわせです。
ともだちはたからものです。
みらいのわたしにもともだちがいて
きっとわらっているとおもいます。》
思い出しました!!!!
(書き直したんだった・・・・)
何度も何度も、書き直してぐちゃぐちゃになった原稿用紙。
今まですっかり忘れていた。
最初に、感情のままに文章を書きなぐったけれど、
これじゃあいけないと思って書き直したのです。
そのとき、少女の滝沢さんは
足らないものじゃなくて、持っているものを書こうと決心したのです。
ブスだし、暗いし、いじめられているけれど、
それでもかばってくれる少しの友達もいる。
その人達のことを書こう・・・。
滝沢さんは一人、新幹線の中で号泣しました。
数日後、いじめっこの一人から
当時の滝沢さんの写真が送られてきました。
震災で昔の写真をすべて失ってしまった滝沢さんのために
クラスメイトたちに声をかけ、
当時の滝沢さんの写真を集めてコピーして送ってくれたのです。
2012年の滝沢さんは
全然お金持ちにはなっていなくて
やっぱりブサイクないじめられっこだけれど、
みんなに愛されて笑っています。
滝沢さんがそう選択したから。
この未来を選択したのは滝沢さんでした。
今から10年後、滝沢さんがもっともっと笑顔でいられますように。
(でもきっといじめられっ子。)
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